NFTやDAO、メタバースが変える次世代のブランディングのあり方〜価値の共有と所有〜

時代は、今大きく変化しようとしている。PRやブランディングの領域でいうと、NFTやDAO、メタバースなどのブロックチェーン技術に基づいたデジタルコミュニティづくりは、企業価値を高めたりブランディングしていくためのとても重要な手法の一つになっていくのではないかと感じている。しかも数年以内に・・・・
今はまだ新しい技術すぎて、怪しいというイメージが先行したり、市場規模が小さいかもしれないが、あと数年で、企業は、顧客との関係づくりやブランディングを考える上で、今後もっとも重要な取り組みの一つに変わっているのではないかという気さえしている。というか、マーケティングやプロモーションのあり方、考え方自体が大きく変わっていくのではないかと感じている。

いつの時代も新しいものには否定的

15年前くらい前に、まだ外資系ラグジュアリーブランドで、PR広告チームにいた時、モバイルサイトの立ち上げに関わり、フランスの本社にガラケーの携帯用壁紙を時計の商品でつくって配布するという企画を提出したことがあった。

そして、最初に本社から帰ってきた答えは、「我が社のラグジュアリーな時計のビジュアルを、このような携帯の小さな画面の画像として配布するのはあり得ない！」というものだった。

衝撃だった・・・。
私自身は、大学生の時に1年間休学してインターネットベンチャーでインターンをしていたこともあり、そのような”感覚”が全くなかったのだ。気づくことさえできなかった。
むしろ、「ブランドプラス」になるという感覚。しかし、本社は「ブランドマイナス」だと感じた。このギャップに衝撃を受けたのだ。

自社にはあまり関係ないと思っていませんか？

今、世の中の人は、NFT、DAO、メタバースと聞くと、多くの人が一部のお金儲けしたい人が関わっているもの・・・怪しいビジネス・・・みたいな印象を持っているのではないかなと思うし、自分にはあまり関係がないことのように感じられているいるかもしれない。仮想通貨について色々なニュースを目にするからでもあると思うが、これらの出現によって、私たちの生活は今、大きく変わろうとしている。

NFTって？

NFTは、ブロックチェーン上で識別されるトークン。「鑑定書」みたいなイメージでデジタルコンテンツの所有権を表すことができる。今は主に芸術系のコンテンツをNFTによって所有するみたいなイメージだけど、これってもっと奥深くて、いわば形がないもの・・・様々な権利の所有というのも可能だ。

DAOって何よ？

そして、DAO（分散型自治組織）は、誰でも自由に参加することができて、参加者全員の共同管理によって成り立つフラットなコミュニティ・・・みたいなイメージ。

これは、例えば企業が、これまでに新商品のためのコミュニティを立ち上げたりする時、かならず企業側が、そのコミュニティや顧客を管理する構造があったし、商品をPRしたりブランディングするための思惑があった。

しかしこのDAOによって、本当に不特定多数のメンバーによって、逆に新商品が開発されていくプロセスが可能になったり、企業側が想定していなかった新しい動きが、参加者からでてくることが考えられる。まさに自律的な組織。

また、ファッション業界などで言うと、もはやみんなが着てみたい！！と言う意見が多いものが実際に製品化されていくということも多くなってくるだろう。先に商品をつくって、それをプロモーションしていくのではなく、みんなが欲しいと言っているものをつくるという流れ。そんなケースが無数にでてくる時代も、もうまもなくやってくるだろう。

みんなが主人公！！

まさに、みんなが主人公の時代。
メタバース空間とリアル現実を何の違和感もなく行き来しながら、全員参加型の意思決定をしていく時代。そんな時代になりつつある。政治の投票とかには全然行かない若者も、自分の興味があるファッションブランドやコミュニティではガンガン発言をして、最終的にはリアル現実を動かしていく時代。

日本企業よ！がんばろう！！！

私は、日本の企業は今こそチャンスなのではないか！！と考えている。そしてこの領域で世界に存在感を示してほしいなと感じているのだ。

Kpopで韓国が世界に存在感を示したように、このNFT、DAO、メタバースでの取り組みで、日本も世界に存在感を示すこともできるのではないか・・・そう感じている。

日本人は、様々なことを組み合わせて、新しい価値を創り出すのが得意な部分もあるし、そのコンテンツ力もある。だからこそ、早い段階から、これらに注力していくことが大切だと思う。

今、まだ世界中が手探り状態だからこそ、私もブランディングプロデューサーとしては常にこの領域の動向に注目し、企業に対して情報提供をしていきたいなと考えている。